【まくのうちコミュニケーション@茅ヶ崎のものづくりの現場から】エグゼクティブな姿~宮崎哲郎さん(宮崎印刷所)の場合~
「顧客はドリルではなく穴を欲している」
(実践するドラッカー事業編)
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客先で「宮崎印刷所はうちの準職員だから」とまで称される宮崎さん
販売しているものは印刷物ですが、お客さんが宮崎印刷所さんから買っているものは、果たして、本当に、印刷物なのでしょうか。
お客様が印刷物を使う場面はどんな場面か
お客さんにとっての印刷物は、仕事を便利にするための道具です。
仕事の中で無くてはならない物であり、効率性や効果性を左右します。
使用中に無くなってしまうと翌日からの業務に支障を来しますし、使い勝手も大切です。
チラシやパンフレットなど、お客さんが自分のお客さんに見せるためのツールの場合、業績にも影響するかもしれません。
宮崎印刷所さんから納品される商品は、お客さんにとっては道具です。それらを使って仕事を行うためのものです。
宮崎印刷所の商品は全てオーダーメイド
オーダーメイドだからこそ、お客さんの仕事の個別具体的な事情に対応することができます。だからこそ、お客さんの仕事の能率や効果性が高まります。
例えば伝票であれば穴を開けた状態で納品してもらうことができます。
穴を開ける場所や穴の大きさは、希望に応じていただけます。
ちょうど取材中に見せてもらったのがこちらの用紙。様々な大きさの穴が開けてあるもの。話を伺うと「穴の大きさを知りたい」というお客様に対して、直径の大きさがそれぞれ異なる穴を実際に見てもらって判断してもらうために、工場で準備されたものでした。
印刷物はお客さんにとっては自分達の仕事をする上で活用するもの。
宮崎印刷所さんに制作してもらった物を使って、仕事をするのです。
物によっては自分達で作ろうと思えば作ることが出来る物もあるかもしれません。
それでもお客さんは宮崎印刷所さんに制作をお願いする。
それは、宮崎印刷所さんが、お客さんの本業に集中させてくれるからです。
「仕事が滞りなく進むように、いかにお客さんの楽をさせてあげられるか、負担を減らせるか、をいつも考えています。『面倒なことは、すべて、こちらに任せてください』と言っています。印刷に関することはお客さんは簡単に済ませて、お客さん達にしかできない本来の事業に専念して欲しいと思っています。」
お客さんは印刷物そのもの(=ドリル)ではなく、それらを活用して自分達の本業の効果性を高めたり時間を短縮したり、本業に集中することを(=穴)を求めているのだと感じました。
すべてを担える印刷会社が地域にあることの意義
宮崎印刷さんにある、このような「紙に関する面倒なことはこちらで引き受け、お客さんを本業に集中させてあげる力」は相手が企業でない場合は、別の形に変化し、お客様に満足を与えることができます。自分達で取り組むにはあまりに手間がかかる制作に関する面倒なことを引き受け、相手が表現したい考えや想いを、印刷物というカタチにしてくれます。市内の学校のPTAの会報や地域の団体の文集制作なども数多く手掛けているそうです。
制作→印刷→製本と、全ての過程を自社で一括で引き受けているからこそ可能なこともあります。「印刷の行程も様々あり、機械も様々ですが、自社で一括で全ての行程を引き受けられるからこそ、それぞれの機械が稼働するタイミングなども考慮できます。納期の対応をすることもできますし、客先で問い合わせが必要になった場合は会社に確認すれば直ぐに答えがもらえます。」
「いかにお客さんの楽をさせてあげられるか」
この宮崎さんの言葉につきるように感じました。
「地域に一社は、誰もが安心して信用できる印刷屋がこれからも必要だと思います。」
それは、印刷物の制作を身近な所に依頼できるだけでなく、顔が見える関係を築き、私たちが本当にやりたいこと・やりたい想いの実現に、パートナーのように一緒に走ってくれ、難しいことや煩わしいことを一手に引き受けてくれるような存在だと思いました。
私たちの茅ヶ崎には、宮崎印刷所さんという強い味方がいるのです。